「フォークリフトの仕事に興味があるけど、リーチ式とカウンター式って何が違うの?」——そんな疑問を持つ方は非常に多いです。フォークリフトの求人を調べ始めると、必ずこの2種類の名前が出てきます。違いを知らないまま応募してしまうと、「思っていた現場と違った」という事態にもなりかねません。
この記事では、リーチフォークリフトとカウンターフォークリフトの違いを構造・用途・操作のコツまで丁寧に解説します。資格の取り方や収入の目安も合わせてお伝えするので、「フォークリフトで安定して稼ぎたい」と考えている方はぜひ最後まで読んでみてください。
リーチフォークリフトとカウンターフォークリフトの基本的な違い
まず大前提として、どちらも同じ「フォークリフト」です。資格(正式名称:フォークリフト運転技能講習)は共通で、1つの修了証で両方を運転できます。ただし、車体の構造・得意な場所・操作感覚はかなり異なります。
| 項目 | リーチフォークリフト | カウンターフォークリフト |
|---|---|---|
| 動力 | 電動(バッテリー)が主流 | エンジン・電動どちらもある |
| 運転姿勢 | 立ち乗り(立って操作) | 座り乗り(シートに座って操作) |
| 車体サイズ | コンパクト・小回りが利く | やや大型・安定感がある |
| 主な使用場所 | 倉庫内・狭い通路 | 屋外・広い工場・港湾 |
| 最大揚高の目安 | 高い棚(5〜7m程度)に対応しやすい | 中程度の高さが多い |
| 荷重バランス | フォーク自体が前に伸びる(リーチ機構) | 後部のカウンターウェイトで車体を安定させる |
リーチフォークリフトの特徴と操作のコツ
どんな現場で使われる?
リーチフォークリフトは、主に物流倉庫・食品倉庫・EC(ネット通販)の配送センターなどで活躍します。通路幅が狭く、高い棚に荷物を積み上げる作業が多い現場に向いています。立ち乗りのため視野が確保しやすく、頻繁に方向転換しながら動き回る作業に適しています。
操作の特徴と初心者が戸惑うポイント
リーチフォークリフトの最大の特徴は、フォーク(爪)が前後に伸び縮みする「リーチ機構」です。荷物をパレットに差し込む際、車体を前進させるのではなくフォークだけを前に伸ばすため、狭い通路でも荷役ができます。
- ハンドル操作が独特:丸ハンドルではなく「ティラー(バー型)」を使う機種が多く、慣れるまで方向感覚がつかみにくいと感じる人が多いです。
- 立ち乗りで疲れやすい:長時間の作業では足腰への負担を感じることがあります。作業の合間にストレッチを取り入れると◎。
- バッテリー管理が必要:電動が主流のため、充電切れに注意が必要です。シフト前に残量確認を習慣にしましょう。
- 高所での荷役は慎重に:揚高が高くなるほど視認性が落ちます。ミラーやカメラを活用し、ゆっくりと操作することが安全の基本です。
リーチフォークリフト操作のコツ
慣れるまでに意識してほしいポイントをまとめます。
- 走行とリーチ操作は同時に行わない(停止してからフォークを伸ばす)
- 棚の高さに合わせてフォークを水平に保つ(傾くと荷崩れの原因になる)
- バック走行時は後方確認を目視+ミラーの二重チェックで行う
- 旋回時はスピードを落とし、内輪差を意識して棚や人を巻き込まないようにする
カウンターフォークリフトの特徴と操作のコツ
どんな現場で使われる?
カウンターフォークリフトは、工場・建設資材置き場・港湾・農業・スーパーの荷受けエリアなど、比較的広いスペースで重量物を扱う現場に多く見られます。エンジン式は屋外での使用にも対応しており、パワーが必要な作業に強みを発揮します。
操作の特徴と初心者が戸惑うポイント
カウンターフォークリフトは座り乗りで丸ハンドルを使うため、普通自動車の運転経験がある人にとっては比較的とっつきやすい面があります。ただし、フォークリフト特有の「後輪操舵(後ろのタイヤが曲がる)」は自動車と逆の感覚なので注意が必要です。
- 後輪操舵に慣れる:曲がるとき、車の後部が大きく振れます。「後ろが外に出る」ことを常に意識しましょう。
- カウンターウェイトで車体が重い:急停止・急旋回は転倒リスクがあります。スピードは控えめに。
- エンジン式は排気ガスに注意:屋内での長時間使用は換気が必要です。現場のルールを必ず確認してください。
カウンターフォークリフト操作のコツ
- 荷物を持ち上げたまま走行するときはフォークをできるだけ低く保つ(重心が下がり安定する)
- 傾斜(スロープ)では荷物を上り方向に向けて走行する(荷物が前に落ちるのを防ぐ)
- 旋回は後輪を意識した大回りで行い、周囲の人や障害物との距離を保つ
- マスト(フォークを支える柱)を少し後傾させると走行中の荷物が安定しやすい
どちらを選べばいい?現場別の向き・不向き
「どちらを使う求人に応募すればいいか」迷う方のために、現場タイプ別に整理します。
| あなたの希望・状況 | 向いている機種 |
|---|---|
| 冷暖房完備の倉庫で働きたい | リーチフォークリフト |
| 屋外・重量物を扱いたい | カウンターフォークリフト |
| 車の運転が得意・座って作業したい | カウンターフォークリフト |
| EC倉庫・食品倉庫で働きたい | リーチフォークリフト |
| まず基本から学びたい未経験者 | どちらでも可(求人先の機種に合わせて習得) |
未経験から始める場合、どちらが良い・悪いということはありません。大切なのは「その現場でどちらを使うか」です。求人票に「リーチ経験者歓迎」「カウンター経験者優遇」と書かれていることも多いので、応募前に確認しましょう。
フォークリフトの資格(技能講習)について
フォークリフトを業務で運転するには、最大荷重1t以上の場合は「フォークリフト運転技能講習」の修了証が必要です(1t未満は別制度の「特別教育」)。この資格1つで、リーチ式・カウンター式どちらも運転できます。
講習時間の目安(免除区分による)
フォークリフト運転技能講習規程(昭和47年労働省告示第111号)により、受講時間は保有資格・経験によって異なります。
- 免除なし:35時間
- 普通自動車免許保有者:31時間
- 6か月以上の運転業務経験者:15時間
- 大型特殊免許保有者、または普通免許+3か月以上の経験者:11時間
受講料の例
受講料は登録教習機関によって異なります。参考として、コマツ教習所の公表料金例を示します(税込・テキスト代込)。これは1機関の公表例であり、全国一律の相場ではありません。
- 11時間コース:28,000円(2日間)
- 31時間コース:47,000〜55,000円(4日間)
- 35時間コース:56,000〜60,000円(5日間)
普通自動車免許を持っていれば31時間コースが対象になる場合が多く、最短4日程度で取得できます。費用は勤務先が一部または全額負担してくれるケースもあるため、求人票の「資格取得支援あり」という記載は要チェックです。
フォークリフト作業員の収入はどれくらい?
収入の目安を知りたい方のために、公表データをご紹介します。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の公表データによると、フォークリフト運転作業員(一般労働者)の平均年収は470.1万円、時給換算で2,153円となっています。また、ハローワーク求人統計では求人賃金の月額平均は23.2万円、有効求人倍率は0.77です。
アルバイト・パートの場合、求人サイト集計によるフォークリフト作業のアルバイト・パート平均時給(中央値)は1,396円という数字が出ています。
なお、深夜業(原則22時〜翌5時)については、労働基準法第37条により2割5分以上の割増賃金が義務付けられています。時間外労働と重なる場合は合計5割以上の割増となります。
まとめ
- リーチ式は立ち乗り・電動・倉庫内の狭い通路に強い。フォークが前後に伸びる「リーチ機構」が特徴。
- カウンター式は座り乗り・エンジンまたは電動・屋外や広い工場に強い。後部のカウンターウェイトで安定。
- 資格(フォークリフト運転技能講習)は1つで両方に対応。普通自動車免許があれば最短4日程度で取得可能。
- 公表データでは、フォークリフト運転作業員の平均年収は470.1万円。倉庫系の仕事の中でも収入水準は高め。
- 未経験でも、現場に合った機種を習得すればステップアップできる仕事です。
「リーチとカウンターの違い」を知っておくだけで、求人票の読み方がぐっと変わります。自分に合った現場を選べるようになれば、フォークリフトの仕事はより長く、より安定して続けやすくなります。資格取得から求人探しまで、まず一歩を踏み出してみてください。あなたのペースで、着実にスキルと収入を積み上げていける仕事です。