施設警備の夜勤は、オフィスビル・商業施設・病院・工場などで、夜間に巡回・施錠管理・モニター監視・入退場の管理を行う仕事です。夜間は人の出入りが少ない現場が多い一方、一人勤務や仮眠・休憩の取り方が収入や負担に直結します。このページでは、仕事内容、きつさ、仮眠・休憩と労働時間の扱い、深夜割増の時間帯、月収の計算例を整理します。
施設警備の夜勤の仕事内容
- 施設(オフィスビル・商業施設・病院・倉庫など)の巡回・点検
- 出入口の施錠・解錠の管理
- 防犯カメラなどのモニター監視
- 来訪者・車両の入退場管理
- 異常時の連絡・初動対応
夜間は日中より人の出入りが少ない現場が多く、業務の中心は定期巡回と監視です。ただし、現場によって業務の量や緊張感は異なります。人数や配置、緊急時の連絡先、マニュアルの有無は、応募前に確認してください。
きつさ:夜勤で負担になりやすい点
- 睡眠リズムの乱れ:夜勤明けの昼間に眠りにくいことがあります。慣れるまで時間がかかる人もいます。
- 一人勤務の現場がある:深夜は一人で巡回・対応する現場もあります。人との会話が少ない働き方が合うかは、人によります。
- 緊急対応:火災報知器の作動、不審者、設備の異常などの際は、手順に沿って連絡や初動対応が必要です。マニュアルと連絡体制がある現場かを確認してください。
- 長い拘束時間:24時間勤務(宿直)のような形態では、拘束が長くなります。
仮眠・休憩と労働時間の扱い
夜勤の求人では「仮眠あり」と書かれていても、その時間の賃金がどうなるかは別問題です。確認する点を整理します。
- 休憩時間:労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、労働時間の途中に与える必要があります。休憩は、労働から離れることが保障された時間でなければなりません(労働基準法 第34条(e-Gov法令検索))。
- 手待ち時間・仮眠時間:厚生労働省のガイドラインは、使用者の指示があれば直ちに業務に就くことを求められ、労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間(いわゆる手待ち時間)は、労働時間にあたるとしています(厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。ビル管理会社の従業員の泊まり勤務中の仮眠時間についても、最高裁判所の判決(大星ビル管理事件・最高裁第一小法廷 平成14年2月28日(裁判所))は、仮眠室での待機や、警報や電話があれば直ちに相当の対応をすることが義務づけられている場合は労働からの解放が保障されておらず、実作業がない時間を含めて労働時間にあたると判断しました。つまり、仮眠が「休憩」と呼ばれていても、実際に呼び出しへの対応が求められるなら、賃金の対象になる場合があります。
- 監視・断続的労働の許可:守衛などの監視や断続的な業務で、労働基準監督署長の許可を受けた場合は、労働時間・休憩・休日の規定が適用されない制度があります(労働基準法第41条)。ただし許可制で要件があり、求人側がこの許可を受けているかは求人票ではわかりません。
応募前の確認事項として、「仮眠・休憩は何時間か」「仮眠中に呼び出しや対応があるか」「仮眠時間の賃金はどう扱われるか」「24時間勤務の場合の実働と賃金の計算方法」を、面接で聞いておくと安心です。
深夜割増の時間帯
労働基準法が定める深夜は午後10時から午前5時までで、この時間の労働には通常の賃金の25%以上の割増賃金が必要です(労働基準法 第37条(e-Gov法令検索))。たとえば午後10時から翌朝6時まで勤務しても、法定の割増の対象は午後10時〜午前5時の部分です。会社が就業規則や契約で、午前5時以降にも手当を付けている場合は別ですが、それは会社ごとの上乗せです。
夜勤施設警備の給与レンジ(当社の掲載データ)
当社の掲載データ(2026年8月時点・警備求人294件中、給与記載のある178件の集計)による施設警備の給与は以下のとおりです。昼勤と夜勤を分けた集計ではありません。
| 給与形態 | レンジ(掲載件数) |
|---|---|
| 時給 | 1,000〜2,000円(7件) |
| 日給 | 9,000〜12,770円(6件) |
| 月給 | 20万〜27.5万円(4件) |
件数が少ないため、あくまで参考値です。この金額に深夜割増が含まれているかは、個々の求人で異なります。
月収の計算例
夜勤のシフトを週3・4・5日で入れた場合の、日給制の計算例です。日給は上の掲載データの下限と上限をそのまま使っており、1勤務の拘束時間や実働時間は求人ごとに異なります。税金・社会保険料を引く前の金額です。
| パターン | 月間勤務日数 | 日給9,000円の場合 | 日給12,770円の場合 |
|---|---|---|---|
| 週3日の夜勤 | 12日 | 108,000円 | 153,240円 |
| 週4日の夜勤 | 16日 | 144,000円 | 204,320円 |
| 週5日の夜勤 | 20日 | 180,000円 | 255,400円 |
時給制の場合は、「時給×実働時間×回数」で計算し、深夜帯(22時〜翌5時)の時間には時給の25%以上を上乗せします。たとえば割増前の時給1,000円で、午後10時〜翌朝6時の勤務のうち午前2時〜3時に無給の休憩を1時間取ると、深夜帯の実働は6時間(22時〜2時と3時〜5時)、5時〜6時の1時間は通常の時間帯なので、6時間×1,250円+1時間×1,000円=8,500円です。休憩は労働時間の途中に取る必要があり(労働基準法第34条)、取る時刻によって深夜帯の時間が変わるため金額も変わります。月給制の求人(20万〜27.5万円)は、夜勤の回数や手当の内訳で手取りが変わります。
夜勤シフトの種類と深夜割増の対象
| シフト | 時間帯の例 | 深夜割増の対象(法定) |
|---|---|---|
| 夜勤(通常) | 22:00〜翌6:00 | 22:00〜翌5:00の部分(休憩を深夜帯に取ると、その分は対象から外れる。例:2〜3時休憩なら深夜帯は6時間) |
| 宿直(24時間勤務など) | 翌朝まで施設に泊まり込み | 22:00〜翌5:00の労働時間。仮眠・休憩の賃金の扱いは会社により異なるので確認 |
| 夕方〜深夜 | 17:00〜翌1:00 | 22:00〜翌1:00の3時間 |
未経験・年齢不問で入れる?
当社の掲載データでは、全294件のうち217件に「未経験可」の記載があり、7割を超えています。警備員になれるのは18歳以上で、採用後に新任教育(一般の警備員は基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上)を受けます(警視庁「警備員に対する教育時間」)。夜勤の可否や長く勤務できるかは、採用時に伝えておくと話が進みやすくなります。
日払い・週払い
当社の掲載データでは、全294件のうち日払いの記載が29件、週払いの記載が33件ありました。施設警備に限った内訳は集計していません。支払い日と手数料の有無は応募前に確認してください。
よくある質問
夜勤の施設警備員は夜間に何をしますか?
施設内の巡回、施錠・解錠、モニター監視、来訪者や車両の確認、異常時の連絡と初動対応が主な業務です。現場の規模や種類で業務量は異なります。
夜勤の仮眠時間は給料が出ますか?
仮眠中も警報や電話に対応する義務があり、労働から離れることが保障されていない場合は、労働時間にあたるとされています(最高裁・大星ビル管理事件。ビル管理会社の従業員の事例)。実際の扱いは契約や勤務実態で異なるため、仮眠時間の賃金は面接で確認してください。
夜勤の深夜割増は何時から何時までですか?
法定では午後10時から午前5時までで、通常の賃金の25%以上の割増が必要です。勤務が午前6時までの場合でも、法定の割増は午前5時までの部分です。
施設警備バイトは未経験でも採用されますか?
当社の掲載データでは、294件中217件に未経験可の記載があります。警備員は採用後に新任教育を受けます。
まとめ
- 施設警備の夜勤は、巡回・施錠管理・監視・入退場管理が中心です。
- 当社の掲載データでは、施設警備の日給は9,000〜12,770円、月給は20万〜27.5万円でした(件数が少なく参考値)。
- 法定の深夜割増は22時〜翌5時の部分に25%以上です。22時〜翌6時の全時間ではありません。
- 仮眠・休憩は、労働から離れることが保障されているかで賃金の扱いが変わります。応募前に確認してください。
- 294件中217件が未経験可、日払いは29件、週払いは33件でした。
求人票の金額だけでなく、仮眠・休憩、割増の扱い、勤務日数を確認したうえで、自分の生活に合うかを判断してください。