高校生でも、法律で禁止されていない範囲の作業なら、建設現場でアルバイトとして働けます。ただし、18歳未満には、危険有害な業務、深夜の勤務、重い物を運ぶ作業などに法律の制限があります。このページでは、その制限と、当社の掲載データにある建設求人の日給、給料の受け取り方、学校や親への伝え方を整理します。
高校生の建設バイト:まず法律上のルール
年齢と契約のルール
- 最低年齢:労働基準法第56条により、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終わるまでは、原則として使用できません。満15歳に達した日以後の最初の3月31日が過ぎていれば(おおむね中学卒業後の4月以降)、15歳でも働けます。高校生は、通常この条件を満たします(愛知労働局 雇用労働相談センター「年少者(満18歳に満たない者)の保護規定」)。
- 年齢の証明:会社は、18歳未満の人を雇うとき、年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付ける必要があります(労働基準法第57条)。実務では、住民票記載事項証明書で足りるとされています。
- 契約は本人が結ぶ:労働基準法第58条により、親権者や後見人が本人に代わって労働契約を結ぶことはできません。一方、民法第5条により、18歳未満の未成年者が契約を結ぶには法定代理人(通常は親権者)の同意が必要です。つまり、契約するのは本人で、親権者の同意を得たうえで結ぶ形になります。同意書の書式は法律で決まっておらず、会社や学校が書面を求めることがあるので、その場合は指示に従ってください。
働ける時間の制限
- 時間外・休日労働:18歳未満は、原則として時間外労働・休日労働をさせられません。原則として1日8時間・週40時間が上限です(労働基準法第60条。1週間の労働時間が40時間以内で、特定の日の労働時間を4時間以内に短縮して他の日を10時間まで延長するなどの例外があります)。
- 深夜業:午後10時から午前5時までは、原則として働かせてはいけません(労働基準法第61条)。例外もあるため、夜間や早朝の作業は、募集条件を確認してください。
就かせてはいけない業務と重量物の制限
労働基準法第62条と年少者労働基準規則第7条・第8条により、18歳未満には危険有害な業務への就業が禁止されています。建設現場に関係する主な例は次のとおりです(愛知労働局「年少者の就業制限業務」)。
- クレーンなどの運転
- クレーンなどの玉掛けの業務(補助作業を除く)
- 足場の組立て・解体・変更の業務(地上または床上での補助作業を除く)
- 高さ5メートル以上で、墜落により危害を受けるおそれのある場所での業務
- 深さ5メートル以上の地穴での業務
高所作業は「単独作業だけ」が禁止されているわけではありません。高さ5メートル以上で墜落のおそれのある場所での業務は、一人か複数かにかかわらず禁止されています。
重量物を扱う作業にも上限があります。男子の場合は次のとおりです。
| 年齢 | 断続作業 | 継続作業 |
|---|---|---|
| 満16歳未満 | 15kg未満 | 10kg未満 |
| 満16歳以上18歳未満 | 30kg未満 | 20kg未満 |
※表の重さ以上の重量物を扱う業務は、年少者には禁止されています。値は愛知労働局の資料に掲載されたものです。
高校生が就ける可能性のある建設系の仕事
上の制限の範囲であれば、次のような補助的な作業が候補になります。実際に高校生が応募できるかは、会社と求人票で確認してください。
- 資材・工具の運搬・整理(重量物の上限の範囲内)
- 現場の清掃・片付け
- 資材の仕分け・荷受け
- 養生シートの設置などの軽作業(高さ5メートル未満の場所)
交通誘導の仕事は、18歳未満はできません。交通誘導は警備業にあたり、警備業法第14条により、18歳未満の人は警備員になれません。「誘導員の補助」と書かれていても、警備員として行う業務であれば、18歳未満は従事できないため、募集の内容を確認してください。
建設バイトの日給(当社の掲載データ)
当社の建設求人サイトの掲載データ(2026年8月時点・掲載中141件の集計)では、土工・雑工の日給は9,000〜20,000円(27件)でした。現場作業員には時給1,400円(1件)の掲載もあります。
| 職種 | 日給の目安(掲載データより) | 高校生が就けるか |
|---|---|---|
| 土工・雑工 | 9,000〜20,000円(27件) | 補助作業なら可能性あり(求人で確認) |
| 現場作業員 | 10,000〜16,000円(6件)/時給1,400円(1件) | 軽作業中心なら可能性あり(求人で確認) |
| 塗装工補助 | 11,000〜20,000円(3件) | 高所作業の有無による。有機溶剤などを扱う作業は年少者の就業制限(年少者労働基準規則第8条)に当たる場合あり(求人で確認) |
| 重機オペレーター | 12,000〜20,000円(16件) | クレーン等の運転は年少者に就業制限あり |
| 大工 | 12,000〜26,000円(6件) | 技能・経験が必要 |
※上の表は、18歳以上を含む建設求人の集計で、高校生に限った集計ではありません。高校生が就ける作業は上記の制限があるため、同じ金額になるとは限りません。個別の条件は、求人票と雇用主に確認してください。
給料の受け取り方:口座は本人名義で
賃金は、労働者本人に直接支払うのが原則です(労働基準法第24条)。未成年者についても、親権者や後見人が代わりに賃金を受け取ることはできません(労働基準法第59条)。銀行振込で支払う場合は、本人の同意を得たうえで、本人名義の口座に振り込むのが基本です(労働基準法施行規則第7条の2)。このため、「親名義の口座でも可」とは考えず、自分名義の口座を用意してください。口座を作る手続きは、金融機関で確認が必要です。
建設バイトのきつさと安全
- 体力面:夏は炎天下、冬は寒風の中での作業になります。重い資材を運ぶ、長時間立つなど、体力を使う仕事です。
- 保護具:ヘルメット・安全靴などの貸し出しの有無は、事前に確認してください。
- 熱中症対策:夏場の屋外作業は、水分と塩分の補給、休憩の取り方を事前に聞いておきましょう。
- 禁止された作業を指示されたら:18歳未満が就けない作業を指示された場合は、断って、会社や学校、労働基準監督署に相談してください。
- 労災保険:アルバイトも労災保険の対象になります。けがをしたら、すぐに会社と学校に報告してください。
学校のルール
高校によって、アルバイトは禁止、許可制、届出制など扱いが異なります。無断で始めると、校則違反として指導を受けることがあります。
- まず生徒手帳や校則を確認する
- 許可制の場合は、担任や進路指導の先生に相談し、申請書を出す
- 働く会社名、作業内容、勤務日・時間を具体的に伝える
親への伝え方
「建設現場は危ない」「勉強に影響する」と心配されることがあります。感情的に反論せず、情報を示して話すのがおすすめです。
ステップ1:法律上の制限を説明する
18歳未満は、足場の組立てや高所作業などの危険有害業務が法律で禁止されており、重い物の上限もあることを伝えます。
ステップ2:職場の情報を示す
会社名、所在地、連絡先、作業内容、勤務日と時間、日給を共有します。求人票を一緒に見るのも有効です。
ステップ3:学業との両立プランを示す
「週末や長期休暇だけ」「テスト前は休む」「学校の許可を得る」など、自分でルールを決めて提案します。
ステップ4:職場に質問する
応募前に、高校生が就ける作業か、禁止された作業を指示されないか、保護具の貸し出しの有無を、会社に直接確認しましょう。親に同席してもらうのも一つの方法です。
始めるときの持ち物・準備
- 身分証明書:学生証・健康保険証など
- 年齢を証明する書類:会社から、戸籍証明書(住民票記載事項証明書でも足りるとされています)の提出を求められることがあります
- 学校のアルバイト許可証:許可制の学校の場合
- 動きやすい服装:長袖・長ズボンなど(会社の指示に従う)
- 安全靴・ヘルメット:貸し出しがない場合は購入が必要か、事前に確認
- タオル・水筒:特に夏場は必携
- 自分名義の銀行口座:給与の振込用
将来に向けて
建設業では、資格や技能講習によって就ける作業が増える職種があります。ただし、年齢や実務経験の条件がある資格もあります。18歳になってから、取りたい資格の受講条件を、実施機関の案内で確認してください。
当社の掲載データでは、重機オペレーターの日給は12,000〜20,000円(16件)、大工は12,000〜26,000円(6件)で、土工・雑工(9,000〜20,000円)とは範囲が異なります。職種ごとに必要な技能や資格が異なるため、金額だけで比べないようにしてください。
よくある質問
高校生でも建設バイトはできる?
法律上、高校生でも働けます。ただし、足場の組立てや高さ5メートル以上の高所作業などの危険有害業務、深夜勤務、重量物の運搬の上限などの制限があります。交通誘導は警備業法により18歳未満はできません。有機溶剤などを扱う塗装作業にも制限があり得ます。
建設バイトの給料は他のバイトより高い?
当社の掲載データでは、土工・雑工の日給が9,000〜20,000円(27件)でした。ただしこれは高校生に限った集計ではなく、他のバイトとの比較ではありません。高校生が就ける作業は制限があるため、求人票で確認してください。
建設バイトは未経験でもできる?
資材の運搬・片付け・清掃などの補助作業から入る求人があります。高校生が応募できるかは、求人票と会社に確認してください。
親に建設バイトを反対されたらどうすればいい?
法律上の制限、職場の情報、学業との両立プランを示して話し合うのがおすすめです。本文の「親への伝え方」に、進め方をまとめています。
まとめ
- 高校生でも、足場の組立てや高さ5メートル以上の高所作業などを除く補助作業なら、建設バイトの対象になる可能性があります。
- 深夜(22時〜翌5時)は原則禁止、時間外・休日労働も原則できません。18歳未満は契約に親権者の同意が必要です(民法第5条)。交通誘導は18歳未満はできません。
- 当社の掲載データでは、土工・雑工の日給は9,000〜20,000円(27件)。高校生に限った集計ではありません。
- 賃金は本人に直接支払われ、振込は本人名義の口座が基本です。
- 学校の許可の有無を確認し、会社には高校生が就ける作業かを事前に聞きましょう。
建設現場は体力を使う仕事です。法律の制限、安全、学校のルールを確認したうえで、無理のない範囲で検討してください。